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金の鉱脈をユーカリの木を使って見つける。

先日このような話がニュースで見かけたことで植物を使った鉱脈探しに興味を持ち、少し調べてみましたので簡単にではありますが記しておくことにいたします。


まず金属(鉱石)をどう見つけるか、というのは非常に重要だったようでさまざまな方法を用いてその場所を見つけようとしていたようです。


その一つとして土地に生えている植物をみて金属を見つけようとする考えもあったようで800年ごろの中国の詩人、段成式はその著書「酉陽雑爼」のなかで

山に玉ねぎがあればその下には銀がある。山にラッキョウがあればその下には金がある。山にショウガがあればその下には銅と錫がある。もし山に宝石があればその周囲の枝はすべて垂れる。

という話を載せておりますので地面の下にあり、見ることのできない鉱脈を見つけるために土地に生えている植物を観察することで鉱脈を見つける、という考えが古くからあったことがうかがえます。


そして近代でも植物が錫鉱石の発見につかわれているのか?という疑問をもっていろいろと調べていたのですが、そういった記述がまったく見つかりませんでした。

それがもっと効率のよい方法があるからなのか、金ほど貴重ではないので調査がされていないだけなのかはわかりませんが、錫鉱石の組成は安定していて植物にほとんど吸収されない。という記述がありましたので近代以降は地質学的な調査に移行したようです。



雑記:

錫を見つける植物はわかりませんでしたが金を見つけるために植物を使う、ということはわりと広く行われているようです。

オーストラリアのユーカリのように日本でも金山シダともいわれるヘビノネゴザやヤブムラサキなどその土地土地によって金(金属)を見つける指標となる植物があるのだとか。

その植物があるから金が埋まっている。というものではありませんが、野山を歩くときなどにそういったことを気にかけることで先人たちの思いの一端に触れることができるのではないでしょうか。


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